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【自然観察】アシナガバチの巣を見てみよう!

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アシナガバチ」が屋根の下に巣を作りました。
玄関に近く、来客や塾生が刺されるのは避けたいので、可哀想ですが撤去させてもらいました。
せっかくなので、巣の中にいる幼虫サナギを観察しました。


【ハチの種類と毒】


ハチ」には様々な種類があります。
なんと、日本だけでも4000種以上、世界では13万種もいると言われています。
アリ」も「ハチ」の仲間なので、そう考えると、様々な種類がいることが分かりますね。

ハチに刺されるのは怖いですが、実はヒトを刺すハチはあまりいません。

例えば、アース製薬さんのページで紹介されているのは「スズメバチ」「アシナガバチ」「ミツバチ」です。
(正確には「スズメバチ」が17種、「アシナガバチ」が11種、「ミツバチ」が2種いますので、30種ということになりますが)

スズメバチ アシナガバチ ミツバチ

このうち「スズメバチ」「アシナガバチ」は昆虫やクモなどを狩り、「ミツバチ」は花の蜜を集めます。

これらの種に共通しているのは、「社会性昆虫」であることです。
つまり、大きな巣を作り、共同生活を行う種類なのです。
そのため、子育ての時期などに知らずに巣に近づくと、刺されてしまうことがあります。

神戸市のサイトなどを見てみると、
スズメバチ」については、駆除の相談窓口がありますが、
アシナガバチ」については「基本的におとなしいハチであり、巣を刺激しなければ人を攻撃することはありません。
自然界では、農作物や庭木に付く毛虫やイモムシを食べたり、花粉を媒介するなど、益虫として役立っています。
と紹介されており、神戸市としては巣の駆除は行ってない、との説明があります。
ミツバチ」についても「駆除をしなければやむを得ない場合以外は、そっと見守ってあげるようにしましょう」となっています。

よく見る「クマバチ」や「マルハナバチ」などは、さらにおとなしい種類になりますので、こちらから刺激しない限り、刺される心配はありません。
だからと言って、捕まえたりするのはやめてあげてくださいね。


〈ハチの「針」〉

ハチ」の「針」は「産卵管」が変化したものです。
ミツバチ」は一度刺すと死んでしまうのですが、「スズメバチ」や「アシナガバチ」は何回も刺してくる可能性があります。
また、巣の近くにいた場合、集団で襲われることもあるので注意が必要です。


〈ハチに襲われたら〉

基本的には、「ハチ」が来た時に逃げるために走ったりするのは逆効果です。
アース製薬さんのサイトでは「スズメバチは急激な動きや大きな音に反応し攻撃してくるため、走らず、逃げず、騒がず、静かに身を低くしてゆっくり後ずさりしてください。」と紹介されています。

〈ハチに刺されたら〉

ハチ」に刺された場合は、どんな種類であっても、毒を絞り出しながら流水で洗い、患部を冷やし、なるべく早く病院に行くことが必要です。
特に、過去に刺されたことがある場合、アレルギー反応(アナフィキラシーショック)の可能性もあるため、必ず病院で受診してください。



【アシナガバチの巣とライフサイクル】


今回、屋根の下に巣を作ったのは「アシナガバチ」。
アシナガバチ」は素朴な六角形の巣を作ります。

素材は樹皮と唾液。非常に硬い繊維質で出来ています。

 

4月から5月にかけて、今回写真を撮った段階での巣は、女王バチが一匹で作っています。
6月に入り、働きバチが羽化し始めると、巣も大きくなり、ハチの数も一気に増えてきます。

9月になると女王バチは、新しい女王バチやオスを産み、寿命を迎えます。
そして、秋から冬にかけて、働きバチ達も死んでしまいます。

一方、新しい女王バチが交尾するのが9月から10月。
オスは交尾後に死んでしまいますが、交尾を終えた女王バチは越冬し、次の春を迎えます。

残された巣は、翌年には使われないそうです。



【アシナガバチの幼虫とサナギ】


ここからは、巣に残された「アシナガバチ」の幼虫サナギを取り出して見てみましょう。
虫が苦手、という方は、閲覧にご注意いただき、ここまでにしておかれる方は、blogのトップページまでお帰り頂ければと思います。














左端はタマゴ。
真ん中にある「巣」の写真に、小さな白い点があるのがお分かりでしょうか。
これがタマゴです。


  

ここから真っ白な幼虫が出てきます。
真ん中にある「巣」の写真でも、よく見て頂ければ、幼虫が顔を出しているのが分かります。


  

「巣」の中にいる幼虫を引っ張り出すと、丸々と太っているのが分かります。

左端の写真、下の黄色い幼虫は、フタのしてある巣から引っ張り出した、サナギになりかけの個体です。
黒いところが、足と羽になっていくであろうことが見て取れます。

真ん中と右のサナギの写真はほぼ成虫の形になっています。
足や羽がしっかりと見えますし、くびれもはっきりと分かります。

一つの巣の中に、様々な成長段階の「アシナガバチ」がいることが分かりますね。


今回は、なかなか観察する機会のない、「アシナガバチ」の巣の中の幼虫サナギを取り出して観察してみました。
最初の方でも説明しましたが、本来「アシナガバチ」は攻撃性が低く、毛虫などを退治してくれる「益虫」でもあります。

今回も、巣が玄関の屋根の下でなければ、巣の成長も含めて観察していきたかったのですが…。
もし巣を見かけても、出来ればそっとしておいてあげてくださいね。
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