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【緊急事態発生!】「ハチ」に刺されて知った「ガ」の怖さ
- 03_自由研究,理科
SDGsアドバイザーが講師をつとめる、兵庫県の理科実験教室、キッズアース播磨町校です。
屋外展示用のテントを倉庫にしまおうとした時のことです。
勢いあまって倉庫の壁にテントをぶつけてしまったのですが、その途端、近くで大きな羽音が聞こえてきました。
なんと、ハチが飛び出してきているではありませんか。
それも1匹や2匹ではなく、どうやら巣を刺激してしまったようです。
何と言いますか、お互いに驚きのあまりストップしたような状態になったのも束の間、
ハチは私めがけて飛んでくる、私はハチから逃げるべく動き出す、
結局、背中を4~5か所ほど刺されてしまいました。
病院で手当てと確認をしてもらった後、安全のためハチの巣を駆除することにしました。
すると、意外なことが分かったのです。
※ 今回は、ハチの成虫だけでなく、幼虫や蛹など、昆虫の苦手な方は避けた方が良い画像を使っておりますので、苦手な方はご遠慮ください。
【キアシナガバチとの邂逅】
ハチが出てきたのは、倉庫と家の間と推測できましたが、目視できるところに巣はありません。
どうするか思案しましたが、屋内から雨戸越しに、ハチが出てきたあたりを狙って、ハチ用の殺虫スプレーを散布することに。
この作戦が上手くいき、しばらくしてから確認すると、確かに倉庫と家の間、雨戸の戸袋の下に、巣を発見することが出来ました。
可哀そうではありますが、親バチはスプレーで全滅状態、一部生き残っている個体も、もう飛ぶ元気もありません。
巣や、中にいる幼虫や蛹の確認もしたいので、巣を慎重に取り外し、親バチも箒で集めます。
調べてみると、これは「キアシナガバチ」の巣であることが分かりました。
※ ここから、ハチの成虫だけでなく、幼虫や蛹など、昆虫の苦手な方は避けた方が良い画像を使っておりますので、苦手な方はご遠慮ください。
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アシナガバチには、益虫の側面もあり、駆除すべきか、というのは悩ましいところではあるのですが、
今回は、場所柄、塾生も含めた子どもたちにも被害が出る可能性が高いため、駆除することにした、ということを追記しておきます。
【キアシナガバチの幼虫・サナギ・成虫】
駆除後、この段階の巣で、成虫、幼虫、サナギ、それぞれどれくらいいるのだろう、ということで、巣から幼虫や蛹を引き出します。
数えた結果、
幼虫が、22匹
サナギが、17匹
成虫が、22匹 (最後のは巻き込まれたと思われるコオロギです)
となりました。
【謎の生き物】
ところが、です。
作業の途中、ハチではない生き物が、巣の中から出てきたのです。
しかも、広がらない羽でバタついて飛ぼうとするではありませんか。
ハチの羽化?とも思ったのですが、どうも違う。
それに、ハチとは様子の違う幼虫も出てくるのです。
調べてみると、「ウスムラサキシマメイガ」か「ギンモンシマメイガ」と言われる蛾ではないかと思われます。
巣に硬いフタがついているな、と思ったのですが、これもこの蛾の幼虫の仕業。
なんと、この蛾、ハチの巣に寄生し、ハチの巣や幼虫を食べてしまうのだそうです。
まずは、ハチの巣が小さく、女王も働きバチも少ない状態の時に、巣に近寄って巣内に産卵。
孵化した幼虫は、ハチの幼虫をエサにするとともに、巣の個室にフタをしてしまいます。
こうすると、成虫のハチは中に入れなくなります。
その間に、個室の壁を食い破り、次の個室へと侵入し、その部屋の幼虫を捕食。
これを繰り返しながら、成虫へと育っていくのです。
これを繰り返しながら、成虫へと育っていくのです。
しかも、幼虫を食べるスピードは、ハチの卵が産まれて育つスピードより早いとのことで、
実は、このままにしていても、この巣は壊滅する可能性が高かったと考えられます。
それにしても、昆虫界でも強さで言えばトップクラスのハチ類が、こんな小さな蛾に寄生され、巣ごと滅ぼされてしまうことがあるとは…。
自然の凄さに改めて感嘆しました。
自然の凄さに改めて感嘆しました。
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