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【算数と数学】万年カレンダー(灘中入試1日目より)
- 06_受験関連,算数・数学,08_東京大学
2020年の灘中学校の入試問題、一日目をざっと解いてみました。
良問・難問ぞろいでため息が出ます。
これを時間内に解いて点数につなげられる小学生は本当に素晴らしい!
消費税の問題、図形問題、変則時計問題、どれも紹介したくなる面白さですが、
一番面白かったのは、題名にした「万年カレンダー」の問題。
「ある工場では、毎日休みなく製品を作っています。
平日は同じ数作り、土日はそれより少ない数を作ります。
この工場で6月に作った製品は372個、9月に作った製品は366個でした。
6月1日は何曜日でしたか?」(灘中学入試問題より)
さて、この問題のポイントは
というところでしょうか。
さて、これが万年カレンダーだと分かったので、
6月1日が月曜日の場合を考えます。
以下同様に…
さて、考えるべきは土日の数です。
6月1日が月・火・水の時は、6月と9月の土日の数が同じなので、個数に差は出ないはず。
ということは、6月1日は、木・金・土・日のどれかです。
土曜・日曜の場合は、9月の平日の方が多いため、9月の個数の方が多くなります。
なので、条件から外れます。
となると、木・金のいずれかなのですが…。
ここからの絞り込みは、ひらめきなのか、慣れなのか、気付けるかどうか、という話になります。
金曜の場合の日数に注目しましょう。
平日も休日も、10の倍数ですよね。
ということは、平日作った数の合計は10の倍数になり、
休日作った数の合計も10の倍数になります。
これをあわせたものは当然10の倍数。
つまり、合計の下一桁は「0」になるはずです。
そうなっていない、ということは、6月1日は木曜と分かります。
問題は、7月の生産個数も求めるのですが、ここまで出来る人にとっては、
単なる計算問題になるので割愛します。
場合分けの問題、ひらめきによる絞り込み、いずれも灘中学校の入試問題ではよく出ますが、
「万年カレンダー」をここまでエレガントに問題化できるのがすごいですね。
しかし、です。
この問題はしょせん「1日目」の問題。
もっと面白い(受験生にとっては難しい)「2日目」の問題がまだ控えているのです!
毎年ですが、灘の先生方は、小学生の子ども達の能力を信じているんだな、と思います。
小学生でも考えれば解ける、そう信じていないと、こういった問題を出すことは出来ません。
今、あるいは今回、この問題が解けなかったとしても、この問題にチャレンジする、チャレンジできるステージにいるということが素晴らしいのです。
受験した全ての小学生の皆さんに、輝かしい未来が待っていることを信じています!
- 計算問題,合格,算数,志望校,自分との戦い,数学,中学入試,灘中,未来
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