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【算数と数学】誕生日のパラドックス3

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東大卒講師が勉強のノウハウを楽しく教える、兵庫県の共明塾です。

誕生日のパラドックス」についての第3回です。


前回は、40人のクラスの中に、「同じ誕生日の人がいる確率」は、どれくらいか、を計算しました。

何人のクラスで何%かという結果だけなら、カシオさんのサイトで、自分のクラスの人数を入れてみてください。
→ カシオ計算サイト「誕生日が一致する確率

今回は、同じく40人のクラスに「自分と同じ誕生日の人がいる確率」を計算してみます。

前回と同じく、これを考えるのに、簡単な例で考えてみましょう。

365日だと大変なので、「・冬」の4つの季節で考えます。
人数も4人にしてしまいましょう。

「私」の季節を「」に決めて、「残り3人の中に、私と同じ季節生まれの人がいる確率」を求めます。

全体像を、樹形図にしてみましょう。


「私」は「」に決めたので、「・冬」のどれでも選べる他の3人について考えれば良く、

組み合わせ全体では、4×4×4 = 4の3乗 = 64 通りあります。

このうち、「誰かが私と同じ季節()の生まれである」、という確率を求めるわけですが、
今回は場合分けして積み上げていく方法でも、「余事象」を使う方法でも、どちらでも可能そうです。

この場合の「余事象」は、「3人がみんな以外の季節生まれ」です。

となると、3人が「・冬」だけの組み合わせであれば良いので、
この組み合わせは、3×3×3 = 3の3乗 = 27通りあります。


ということは、1 27/64= 0.578

「私」を含めた4人がいた時に、「誰かが私と同じ季節()の生まれである確率」は、58%となります。

一方で、「誰か二人以上が同じ季節生まれである確率」は、90%でしたので、それなりの開きがあることが分かりますね。

さて、本題に戻しましょう。
40人のクラスに「自分と同じ誕生日の人がいる確率」です

4つの季節」ではなく「365日」で考えます。
人数も4人ではなく「40人」にします。

自分の誕生日は決まっているので、全体の数は、365(1人目)×365(2人目)×…×365(39人目) = 365の39乗 通りになります。
全体の数は、前回(365の40乗 通り)と、ほぼ同じですね。

自分と同じ誕生日の人がいる」の反対は、「自分以外の全員が自分と違う誕生日」になりますので、
先程と同じように考えると、
364(1人目)×364(2人目)×364(3人目)×…×364(39人目) = 364の39乗 通りになります。
前回は、365×364×363×…×326 と、かける数字がだんだん減少していましたので、ここが大きな違いですね。

計算すると、(364/365)の39乗 となり、0.898、つまり約90%という値が出てきます。

これを100%から引くと、約10.%となります

前回は「余事象」が約11% で、これを100%から引いて、89%が出てきました。

数字だけ見ると、まるで反対の結果が出たように見えますね。

クラスの人数が変わる場合も、同様の計算で出すことが出来ます。
結果だけであれば、こちらのサイトを利用してみてください。
→ カシオ計算サイト「自分の誕生日と一致する確率

さて、元の話は、「40人のクラスに私と同じ誕生日の人が2人いた(3人同じ誕生日)」でした。
次回は「私と同じ誕生日の人が2人以上いる確率」を計算します。