キッズアース播磨町校「共明塾」

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【東京大学】「メダカの学校」プロジェクト

    01_自然観察,05_見学・おでかけ,08_東京大学
兵庫県の理科実験教室キッズアース播磨町校です。
サイエンスショーや、Youtubeでの「1分間実験動画」配信なども行っています。
お気軽にお問合せください。

さて、キッズアース播磨町校代表講師の森田孝明は、東京大学の卒業生なので、時折東京大学からメールが届きます。
と言っても、寄付のお願い、という内容のメールなのですが(笑)

興味があり、少額でも出来るプロジェクトに時折寄付をしているのですが、今回は、「メダカ」に関するプロジェクトに寄付を行いました。

東大卒講師が勉強のノウハウを楽しく教える、播磨町の共明塾です。神戸、加古川、明石、高砂からも是非お越しください。

【東京大学基金】






東京大学では「東京大学基金」という形で、様々なプロジェクトへの寄付を募っています。
プロジェクトの内容は多岐にわたり、興味深い研究プロジェクトが多数展開されています。

東京大学基金」のページを開くと(学生の支援や、幅広い人材育成を名目とした基金、各部活動への寄付要請などもありますが)
開発・研究系のプロジェクトの題名を眺めるだけでも、「研究」の世界の奥深さが伝わってこようかと思います。

ざっと拾ってみただけでも、

  • がん予防法の確立
  • バイオロギングを活用した情報収集と分析
  • 環境に優しい海洋資源の活用
  • 光量子コンピューターの研究
  • 植物園からの環境保全活動
  • 大型低温重力波望遠鏡「KAGURA」プロジェクト

など、未来を見据えた研究が並んでいます。
(「科学・技術」のタブで絞り込むと分かりやすいですね。)

こんな研究を応援したい、というものがあれば、ご寄付頂ければと思います。


【「メダカ」は絶滅危惧種】


メダカ」が絶滅危惧種だということはご存知でしょうか。

メダカ」は、ペットショップ等で気軽に買うことが出来ますし、家で飼っていてもタマゴを産んでくれたりして、簡単に増える気がします。
小学校の教科書でも「メダカの観察カ」が紹介されており、当実験教室でもベーシックの授業として「メダカの観察」を行っています。

  

しかし1980年代から野生メダカは各地で減少し、2003年には絶滅危惧種として指定されています。
 一方で、観賞用や教育教材用のメダカの放流などにより、
 野生メダカが本来の地域集団と遺伝子的に異なっている地域も多く確認されています。
(「メダカ自然集団の保全事業支援基金」ご支援のお願い より)

環境省の「いきものログ」にある「レッドデータブック/リスト」では、「絶滅危惧Ⅱ類(絶滅の危険が増大している種)」として紹介されています。

上記ページでも紹介されていますが「メダカ」は「ミナミメダカ」「キタノメダカ」に分類されることも近年の研究で明らかになりました。
それだけに、この遺伝子汚染や、各地固有種の絶滅などは大きな問題になってきます。



【メダカ自然集団の保全事業支援基金】


東京大学では、1985年から野生メダカを収集・飼育しており、現在は東京大学柏キャンパスにて、600㎡にわたるスペースに60Lのプラスチック製コンテナ約300個が設置され、飼育が続けられています。

 
(今回の寄付で頂いた封筒およびパンフレットより)


今回のプロジェクトには

  1. メダカの保全
  2. メダカを使った研究の推進
  3. 野生メダカの遺伝子鑑定による日本列島のメダカ史の解明
  4.  気候変動への警鐘 ―メダカの視点からー
といった目的が掲げられています。

プロジェクト概要によると「当時の採集地の多くではすでにメダカが絶滅しており、野生メダカ系統は、失えば二度と取り戻すことのできない「生物誌」の記録になって」いるそうです。

同じく、プロジェクト概要によると
メダカは、冬の間は氷の張ったコンテナの底の泥にもぐってひたすら春を待っています。
南のインドネシアに起源がある Oryzias 属の中で唯一日本の冬を超える能力をもっている」そうです。

そして「春になって暖かくなると、水温の上昇と日長とを合図にして産卵の準備を始めます。
が「例年よりも早く暖かくなったり、4月に寒の戻りがあったりすると、メダカの産卵のサイクルが乱れます。
屋外飼育場のメダカの生活は日本の四季と強くリンクしている」生き物なのです。

ちなみに、寄付額が累計3万円でメダカのDVDがもらえ、5万円以上だと飼育場に銘板を設置してもらえるそうです。
今回、私は限定ステッカーを頂くことが出来ました。




身近で、いるのが当たり前のようなメダカですが、様々な観点から、日本の自然環境を伝えてくれる生き物でもあります。
研究を継続していくことはとても大変なことだと思いますが、これからも素晴らしい研究が続けられることを願っています。

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