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【自由研究】「時間」とは何か

    03_自由研究,04_イベント・講演会,理科
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7月29日の「東ハリマくらし学校 「タック先生」と実験工作しよう! 自由研究のヒント」では、
「日時計」「水時計」を作ってもらいますが、その前段として、「時間」についてお話します。
自由研究のヒント、ということで、様々な切り口でお話し、それぞれの興味にあった部分を深掘りしてまとめてもらえたらと思います。
今回はその中で扱ういくつかのトピックをご紹介します。


【心の中の「時間」】


「時間」とは、そもそも何なのでしょう。
考えれば考えるほど、とても難しい問題です。

楽しいことをして過ごす時間はあっという間なのに、
例えば息を止めて1分間と言われるととても長く感じます。

大人はよく「忙しい」と言いますけど、何に追われているのでしょう?

「時間」とは何か、という問題は、かえって大人の方が難しく考えてしまうものなのかも知れません。

まずは、この本を親子で読んでみてはいかがでしょうか。


「読書感想文」になってしまうかもしれませんが、「時間」という切り口で読んでみると、少し違った物語が見えてくると思います。
家族で感想を語り合って、それをまとめる、というのも一つの方法です。
(今ならインターネットでアンケートを取るなんて手法もありかもしれません。)

さて、この本には「時間どろぼう」が出てきます。
「大切な時間」を盗んでしまう人たちです。


さて、では、時間は盗んだりできるものなのでしょうか?


【生き物の「時間」】


少し難しくなりますが、『ゾウの時間ネズミの時間』という本があります。


「絵とき」になっているものもありますね。


私たちの心臓は、1分間にどれくらいドキドキしているでしょう。
イヌやネコを飼っているなら、彼らの心臓はどう動いているでしょう。
お父さんお母さん、おじいちゃん、おばあちゃんと私を比べるとどうでしょう。
眠たい時と、遊びまわったあとでは、どう違うでしょう。

この本を読んで、命と時間について考え、脈拍の表を作るだけでも、立派な自由研究になる内容です。



【スポーツの「時間」】


オリンピックやパラリンピックでは、たくさんの時計が使われます。

100メートルを何秒で走るのか、クロールで50mを何秒で泳ぐのか、
柔道の試合も、サッカーの試合も時間が決まっています。

文字通り、ほんのタッチの差で、メダルの色が変わることもあります。

今でこそ、デジタル表示のストップウォッチが当たり前になっていますが、
世界最初のデジタル式ストップウオッチの登場は、1964年東京オリンピック。

日本のセイコーさんが開発しました。


そして、こういった競技の記録も、様々なところで公表されています。

例えば、2000年シドニー/2004年アテネ/2008年北京/2012年ロンドン/2016年リオデジャネイロ の大会から、
マラソンの金・銀・銅メダルの記録を調べて、誰がどれくらいの時間で走ったか一覧にしてみるのはどうでしょう。

もちろん100m走でやっても、水泳でやっても良いですし、男性と女性の記録を比べても面白いでしょう。
自分で書きだして、分かりやすく表にすることで、見えてくるものがあると思います。

その上で、100m走の速さで、水泳50mの速さで、42.195㎞(マラソンの距離)を走ったら、どれくらいかかるのか、とか考えてみても面白いかもしれません。
逆に、マラソンの速さで100mを走ると、どれくらいの記録になるのか、計算してみてもどうでしょう。



【「時差」と「時間」】


さて、日本でオリンピック競技が行われているのがお昼の12時だとしましょう。
この時、他の国では何時でしょうか?

地球は丸いので、日本の真上に太陽がある(12時)の時、他の国では太陽が昇り始めたばかりだったり、沈むところだったり、ということが起こるのです。
基本的には、どの国も、自分の国の真上に太陽が来た時を12時として、時間を考えます。
しかし、それだけだと、どこを基準にするかが分からなくなってしまうので、それぞれの国で基準を定めています。

日本の場合は「東経135度」で、明石や西脇を通っています。
明石の真上に太陽が来た時が、日本の12時ということになります。



この「時差」や「サマータイム」について調べてみるのも面白いですね。

上手く工夫して、日本が〇時の時、ロンドンやニューヨークが何時が分かる工作、なんて作ってみても面白そうですよ。



【物理学の「時間」~ニュートンの「絶対時間」/アインシュタインの「相対時間」~】


ニュートンの「絶対時間」の考え方は、普通に私たちが考えている「時間」と同じでしょう。
つまり、どこでも「時間」は何の影響も受けず、一定の速さで流れる、ということです。

何の問題もない考えだと思いますよね。

でも、アインシュタインは、とんでもないことを思いつきます。
「光速に近づくと、時間の流れが遅くなる」ということです。

この結果として起こるのが「ウラシマ効果」。
光速に近いスピードの宇宙船に乗って帰ってくると、地球ではもっと時間が進んでいる、というものです。

これについて、私が説明するより、本で読んで頂ければと思います。
「分かりやすい」とついた本もたくさん出ていますし、マンガで解説している本もあります。

自分がビックリした点を書き出してまとめてみれば、十分立派な自由研究になるでしょう。


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【「時間」って何?】


では、「1秒」はどうやって決められているのでしょうか。

もともとは、「1日」を「24時間」として、「1時間」を60で割ると「1分」、「1分」を60で割ると「1秒」、という考えでした。
しかし、「1日」の長さ=地球が1周自転する速さは、毎日全く同じというわけでなく、少しずつ違います。
そのため、より正確で厳密な「秒の定義」が必要となりました。
極端な話、地球の自転スピードが2倍になったり半分になったりしても、「秒」は変わらないようにしよう、ということです。

その結果設けられた「定義」が
「セシウム133の原子の基底状態の二つの超微細準位の間の遷移に対応する放射の周期の9,192,631,770倍に等しい時間」
砕いていうと、「セシウムが9,192,631,770回震えるのにかかる時間」で、これは「原子時計」で計測されます。

そして、さらに正確な定義を求めて、「光格子時計」などの開発が進められており、
2026年には、「秒」の定義がさらに変わるかもしれません。



【自由研究のヒント】


今回、様々な切り口で「時間」の自由研究を行うヒントを書いてみました。

簡単なものから難しいものまで様々ですが、本人が興味を持ったことを深掘りするきっかけにしてもらえればと思います。
せっかくやるからには、楽しみながら出来るのが一番だと思います。

自由研究を仕上げるには、調べたことを、図や表を使って「整理する」「まとめる」「自分の意見を書く」という形にすると良いでしょう。
楽しみながら仕上げれば、見ている方も楽しい気分になれる、そんな自由研究が出来ると思います。

頑張ってチャレンジしてみてください!
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