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【自由研究】日時計をつくろう!

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7月29日に行う「東ハリマくらし学校 「タック先生」と実験工作しよう! 自由研究のヒント」
【「水時計」をつくろう】ですが、「水時計(漏刻)」だけでなく「日時計」もつくります。
題名を【「時間」のけんきゅう】にしておけば良かったと後悔しています(笑)

さて、日時計にもいろいろな種類があります。
明石市立天文科学館 (am12.jp)さんの資料を使いながら、その歴史を紐解いていきましょう。


【オベリスクも日時計】


太陽が昇って、落ちるまでが1日(昼)だと考えるのは、自然な発想です。
太陽が一番高くなった時を基準にすると、その前の時間(午前)とその後の時間(午後)は一致します。
では、この太陽の動きに沿って時間が決められるのではないか、という考えに至るのも納得がいきますね。

紀元前4000年頃のエジプトでは既に真っすぐに棒を立てて、おおよその時間を計っていたそうです。

そして、これが大きくなったものが「オベリスク」と呼ばれるもので、広場の中央などに建てられました。
今では、モニュメントとして、エジプトから運ばれたり、欧米の大きな広場などに建てられたりしています。

  
(ルクソール神殿のオベリスク/ワシントン記念塔(Washington Monument)/コンコルド広場(Place de la Concorde)にあるオベリスク)

左:Marion Golsteijn - 投稿者自身による作品CC 表示-継承 3.0リンクによる
中::By Ajay Suresh from New York, NY, USA - P9070450, CC BY 2.0, Link
右:Cristian Bortes from Cluj-Napoca, Romania - Paris, CC 表示 2.0, リンクによる


世界のオベリスクについて調べて、写真を並べるだけでも、立派な自由研究になるのではないでしょうか。

また、棒を立てるだけの日時計なら、簡単に作ることが出来ます。
これを時間ごとに場所と長さを記録すると、これも立派な自由研究になります。

そして、もっと簡単なのは、場所を決めて、正時に自分が立つことです。

 

7月終わり、8月半ば、8月終わりくらいの晴れの日に調べて比べてみましょう。何か違いはあるでしょうか。
なかったとしても、「違いがなかった」ということが、立派な研究結果になるのです。


【棒が傾いた日時計?】


棒を垂直に立てただけの日時計はとても簡単ですが、これで調べてみると、1時間ごとの幅がバラバラになることが分かります。
上の写真でも、7時と8時の間と、11時から12時の間で幅が違いますよね。
時計の文字盤だと、1時から2時も、4時から5時も、同じ幅です。

時計の文字盤のように、同じ幅にする方法はあるのでしょうか。

この問題を解決するのが、「コマ型日時計」と呼ばれる日時計です。

住んでいるところの北緯や南緯によって、太陽が見える高さは変わります。

日本を代表する北緯として、北緯35度をとりましょう。
(正確には、日本は北緯20度から北緯46度の間にあります)
棒を35度傾けると、棒が太陽に対して真っすぐを指すようになります。


これだと、太陽を真っすぐ捉えることが出来ます。
もちろん、この角度は国(場所)によって違うので、作られた場所によって、この角度が違ってきます。
そんな観点で、どの国で作られたものだろうと考えてみても面白いですね。

 


棒がかたむいているのには、こんな意味があるのですね。

さて、このタイプで言えば、マイクロソフトさんから、こんな無料のテンプレートも出ています(PowerPoint用)


自分の好きな写真などを入れてもらって、オリジナル日時計を作りましょう!


しかし、ここまでだと「コマ型」ではありません。

明石市立天文科学館 (am12.jp)さんの4階広場にコマ型日時計がありました。

 


このタイプだと、学研さん、キャノンさんが作り方を説明されています。


この日時計の場合、裏にも文字盤があり、表が「春分から秋分まで」裏が「秋分から春分まで」となっています。

表と裏に文字盤があるのは難しいですね。


【丸い日時計?】


コマ型日時計を発展させたものが、赤道式日時計です。
影を受ける目盛りが地球のように丸くなっています。

 

JAXAさんで紹介されているのもこのタイプ。

今回、キッズアース播磨町校で作るのも、このJAXAさんの形にしようかと思っていたのですが、
この丸いところに文字盤を上手く貼るのが難しかったので、
明石市立天文科学館 (am12.jp)さんの「ペットボトル型日時計」


を改良したものを作ります。




また、丸い日時計には、こんなのもあります。





【壁にかける日時計】


ヨーロッパには、壁掛け式の日時計があるそうです。
ヨーロッパにいた時は、こんなのがあるのには気が付きませんでしたね。
次に行く機会があれば、探して写真を撮りたいと思います。




さらに、キューブ型の日時計というのもあります。

 



【携帯日時計】

旅先で時間が知りたい、という思いは昔からあったようで、明石市立天文科学館では、指輪型の日時計なども展示されていました。

 


その思いは日本でも同じで、日本にも携帯型の日時計はありました。

 

左の日時計はとてもユニークで、時間によって影の長さが違うことを利用した日時計です。
その月の紙の部分を垂直に立てると、影の長さで時間が分かる、というわけです。

このアイデアはとても秀逸だと思いますし、それこそ自由研究で作ってみても面白いと思います。
私はこの実物を奈良の時計博物館で見たことがあって、当時複製品も買ったのですが…今はこの時計博物館もなくなってしまいました。



【3Dプリンタ式日時計】


明石市立天文科学館 (am12.jp)さんでは、何の説明もなしに置かれていたのですが…
最近発表されて衝撃的だったのが、この日時計。



なんと、この日時計、デジタル表示式なのです。

オリジナルはmojoptixで公開されています。

下記の動画は、この日時計が動くところからにしていますが、
前半では、日時計そのものについての解説もあります。


これは、正直とんでもない日時計ですね…。
発想が素晴らしいとしか言葉が出てきません。

3Dプリンタがあるようでしたら、自作して、普通の時計と並べ、時間ごとの写真を撮ると面白いでしょう。


【自由研究のヒント】


今回、日時計について、自由研究を行うヒントを書いてみました。

簡単なものから難しいものまで様々ですが、本人が興味を持ったことを深掘りするきっかけにしてもらえればと思います。
せっかくやるからには、楽しみながら出来るのが一番だと思います。

自由研究を仕上げるには、調べたことを、図や表を使って「整理する」「まとめる」「自分の意見を書く」という形にすると良いでしょう。
楽しみながら仕上げれば、見ている方も楽しい気分になれる、そんな自由研究が出来ると思います。

頑張ってチャレンジしてみてください!
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