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【2022年共通テスト】英語(リーディング)解説:第1問から第3問まで
- 06_受験関連,英語,08_東京大学
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東大卒講師が勉強のノウハウを楽しく教える、播磨町の共明塾です。神戸、加古川、明石、高砂からも是非お越しください。
2022年の共通テストが終わりました。
受験生の皆さん、まずはお疲れさまでした。
寒い中、また、津波のニュースや東大での襲撃事件など、ざわざわする状況の中で、実力を発揮するのは大変だったと思います。
二次試験に向けて気持ちを切り替えるためにも、ちょっと一息ついてみて下さいね。
可愛らしいキリンのイラストが目をひく第1問B。
【総評と来年に向けて】
さて、今年も去年に続いて、時間をはかりながら問題にチャレンジしてみました。
正直、この量を時間内に、というのは、かなり難しいなと感じました。
せめてあと10分あれば、20分あれば、という気持ちになろうかと思います。
とは言え、この「問題量の多さ」は昨年も同じでした。
前半を要領よく、テンポよく解き、後半に時間を作る、というやり方しかありません。
そのためには、たくさんの英語を読んで、触れて、問題を解いて、という王道の勉強法が、遠回りに見えて一番の近道です。
リスニングのことも考慮すると、これに「聴いて」も加える必要があります。
センター試験の時と比べれば、受験生を迷わせる選択肢が少なくなったな、というのは去年と同じ感想ですが、
去年の試験と比べれば、ちょっと考えないとならない問題が、後半にいくつか見られました。
この傾向で問題が作られるなら、前半を解くスピードを上げていくことが、高得点を取るカギになっていくと思います。
大問としては第6問までですが、第1,2,3,6問は、AとBにわかれており、実質10個の英文を読むことになります。
正直、それなら第1問から第10問で良いのでは、と思わなくもないのですが…というのも、去年も思いました(笑)
さて、総評はここまで。
各問を見ていきましょう。
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※ なお問題は、河合塾さんのサイトからプリントアウトさせて頂きました。
過去問につきましては、3年分(今はまだ2021年実施分のみ)を、
独立行政法人 大学入試センター (dnc.ac.jp)さんのサイトから入手することが出来ます。
【第1問A】
いきなりブラジルのフルーツの問題で、写真のキャプションに「ç」なんて文字が出てきて、戸惑った学生も多いのでは、と思います。
とは言え、問題はいたってシンプル。
[1]「cupuaçu」と「buriti」は何料理に使われますか?
なので、この二つのフルーツのキャプションを見て、両者に共通する料理名を答えれば良いだけです。
[2]「sour cake」を作るのに適したフルーツは?
これも有難いことに、そもそも「sour」が使われているのが「jabuticaba」と「pitanga」だけ。
「pitanga」の方には、「sour」な緑色の「pitanga」は、ジャムとゼリーにだけ使われると書いてあり、
「jabuticaba」には、「sour」になったら、ジャムやゼリーやケーキにどうぞ、と書いてあるので、こちらが答えですね。
=====
さて、この問題の解答、わざと訳さないままで(カタカナにもせず)書きました。
真面目な受験生ほど、「なんと読むのか」「どんなモノなのか」「どう訳すのか」と考えてしまいがちですが、
そんなことを考える必要はちっともありません。
写真が載ってて、フルーツだとあるのですから、「cupuaçu」「buriti」「jabuticaba」「pitanga」のままで考えれば十分なのです。
地名とか人名とかと同じですよね。
もっと難しい英語長文でも、分からない単語を無理に訳す必要はなく、そのまま考えれば良いのです。
この話は、塾でよくしているのですが、これからはこの問題を使って説明できそうですね(笑)
あともう一つ。
この問題、問題を見てから本文を読んで解く方が断然簡単です。
この解き方については、次の問題で解説しましょう。
【第1問B】
可愛らしいキリンのイラストが目をひく第1問B。
このイラストの有無で、平均点が変わるんじゃないかな、と思っています(笑)
可愛いから、とかいう理由ではなく、このイラストがあるだけで、問題に取り組む気持ちが変わってきますし、
勘の良い受験生なら、もし「Giraffe」の意味を知らなくても(忘れていても)、「キリンだ!」と気付けたことでしょう。
問題は3つ。
これも難しくはありません。
しかし、この英文、全部読んでいては、とてもではないですが、時間が足りません。
だから、問題を見てから本文を読んで解くのが良いのです。
こういったポスター形式の設問は、問われている情報を探す方が、全文を読むより早いですし、
何となれば、答えさえ見つければ、読む必要すらないのです。
3つの問題を先に見ましょう。
[3]「contest」に「enter」出来る期間は?
[4]「your idea」を「submit」する時に、しなければならないのは?
[5]あなたが「submit」した「name」が、5名の「finaists」になったら、どうなる?
さて、[3]で探すのは日付ですよね。
上の方にあるのは「giraffe」の赤ちゃんが産まれた日付なので、『How to Enter』のところを見ましょう。
すると書いてある日時は...。
[4]も引き続き『How to Enter』のところを探します。
すると「Each submission...」という文章がありますね。
「submission」は「submit」と関係ありそうです。これが「$5」だということは...。
[5]は5名の「finaists」になったら、ということですので、『Prizes』を見てみましょう。
いきなり「All five contest finalists will...」とあります。
これに続く文章が答えですね。
==========
さぁ、もう一度問題文を見てみましょう。
キリンがいつ生まれて、体重がいくらで、コンテストのスケジュールがどうで、ライブカメラがあって、とか、全部関係ありません。
必要な情報を抜き取れば良いだけ、ということが分かりますね。
「TOEIC」等では以前からこのタイプの問題が出ていたのですが、これまでの「センター試験」ではこの手の問題は少なく、
あったとしても、比較的短い文章か、他の問題を解く時に結局全部読む形になっていることがほとんどでした。
こういう「情報抜き出し型」の問題への対応は、ただ一つ。
問題文を先に読んでから、本文で必要な情報を探す、です。
【第2問A】
今度は5問と比較的多いですね。
これも問題を見てから、解いていきましょう。
[6]「library」で出来ることは?次のうちから2つ選べ。
A:コーヒーの持ち込み B:「the Study Area」での他人分の席取り
C:2Fでコピー D:IDをコピーに使う E:「the Study Area」でノートパソコンを使う
A,Bは普通にダメだろう、と思いますが(笑)
一応本文で確認はしておきましょう…って、コーヒーの話は左のインフォメーションの中にはないんですよね。
IDについて、最初の『Library Card』に、「student ID」が「library card and photocopy card」として使える、とあります。
ということで、「D」が〇だと分かりますね。
『Borrowing Books』には、1回で8冊まで7日間借りられるとあります。
持ち出す場合には1Fにある「Information Desk」まで。
「due date」までに返さない場合は、返した日から3日間、本を借りられません。
ん? [6]の答えはありませんが、
[9]3冊の本を「2 August」に借りて「10 August」に返しました。本は何冊借りられる?あるいは、いつまで借りられない?
が解けそうですよ。
2日に借りた本の返却期限は9日で、期限を過ぎているので、返した10日から3日間、つまり13日まで本は借りられない、ということになりますね。
『Using Computers』を見ましょう。
「Internet connections」のある「Computers」が1Fの「main entrance」近くにある「the Computer Workstations」にあります。
おや、これで、
[8]「main entrance」の近くにあるのは?
が解けますね。
続きを読みます。
「Students」は自分の「laptop computers and tablets」の持込が可能ですが、2Fにある「the Study Area」でしか使えません。
「Students」は静かにしなければならず、「friends」のために「reserve seats」してはいけません。
これで「E」が〇であることが分かったので、[6]が解けますね。
[7]「main entrance」にいて「orientation」に行きたいが、どうすれば良いか?
は、次の『Library Orientations』に答えがありそうです。
「On Tuesday at 10 am」に「20-minute」の「library orientations」が、3Fの「the Reading Room」で開かれます。
ということで、「main entrance」は1Fにありましたから、上に上がる、が正解ですね。
最後残ったのが、[10]生徒が言っている「事実」はどれ?です。
ひっかけなのが「② the library is open until 9 pm」ですね…。
表題のところに「Open from 8 am to 9 pm」とあるので、内容は間違いではないのですが、「生徒が言っている」わけではないから違うのです。
『Comment from Past Students』に目を通していかないといけません。
「③the library orientation handouts are wonderful」も迷うところです。
「The library orientation was really good. The materials were great, too!」となっています。
「materials(資料)」が「handouts(プリント)」と同じものを指すなら、これも間違いではありません。
ただ、これが「fact」かどうか、と言われると、主観的な感想だよね、というところが引っ掛かります。
保留にして先に進みましょう。
「④the Study Area is often empty」は「The Study Area can get really crowded.」なので明らかに間違いですね。
「Wi-Fi」の話、「the Information Desk」の話は飛ばして、最後の生徒の話を見ましょう。
「videos」を見る時には、あなた自身の「earphones or headphones」を使う必要があるとあります。
「①headphones or earphones are necessary when watching videos」と合致しますね。
なので[10]の正解は①と言うことが出来ます。
==========
この問題、実は、これまでの「センター試験」を知っている身からすると、とても恐ろしい問題です。
「センター試験」の長文の時は、こう言っていたのです。
「センターの問題は1問1段落対応の時が多いから、まず小問1を見て、その答えを1段落目で探す、次に小問2の答えを2段落目で探す、そうやって問題と本文を交互に読んでいけば時間短縮になるよ」と。
この問題の解き方を読んでもらうと分かりますが、とんでもない。
[6]~[10]まで目を通し、それを念頭に置いて本文を読む、という形にしないと、情報を探すのに行ったり来たりすることになります。
このパターンは、「センター試験」時代には、ほとんどありませんでした。
これまでの解き方のパターンが通用しない、という意味では怖い問題ですが、第1問のAでもBでも見たように、先に問題を読んでから本文にあたる、という方法自体に違いはありません。
【第2問B】
次も5問、しかも後半の問題はページをめくった先にあります。
先に問題に目を通しましょう。
その前に、問題文の枠の外を読んで、どんな話かざっとイメージを掴む、というのも手法の一つです。
「the UK」からの交換留学生「David」君が、あなたが編集している学校の「English paper」に寄稿した文章ですね。
ネコの絵もありますし、冒頭に「animal」とあって、「pet」の字も見えますから、ペット事情的な話だと思われます。
[11]「pets」のいる家庭の割合が高い国から低い国へ順に並べると?
[12]「pets」がいることの「advantage」を一つ選べ
[13]「survey」にある「finding」を最も「reflects」している「statement」はどれか?
[14]日本で「pets」を持つことに対する「David's opinions」を最も「summarises」しているのはどれか?
[15]どれが「title」にふさわしいか?
文章を見ながら解いていきましょう。
最初の段落に[11]の答えがあります。
「The UK」は動物好きの国として知られ、「two in five」の家庭が「pets」を持っている。
これは「the US」より低く、「the US」では、「more than half」の割合である。
しかし、「Australia」ではもっと高い「percentage」の家庭が「pets」と一緒である。
なので、「Austtralia」>「the US」>「the UK」となりますね。
[12][13]は、点線の枠内に答えがあります。
が、[12]は、他の選択肢がおかしいので(①節約できる ②良く寝られる ③人気者になれる)、イージーですね。
[13]も他の選択肢が(①ネコとテレビを見ると落ち着かない ③ほとんどのペットは自動車旅行が好きだ ④ペットには専用の部屋が必要)ですからね…。
一応確認だけすれば、問題ない気がします。
最終段落に日本の話があるので、[14]の答えはここから。
「Still, I know people here who are content living in small flats with pets.」とあります。
この場合の「still」は、前文の「場所、時間、お金といった問題がある」を受けて「にもかかわらず/それでも」。
「here」はもちろん「日本」。「こんな人を知っているよ」となっているわけです。では、どんな人なのか。
「content」は「満足する」。「flat(s)」は「住居」。
あわせると「小さな家でもペットと住んで満足している」人、ということになります。
これだけだと「keep pets inside their homes」とは言い切れませんが、
最後の行にある「David」の疑問「I wonder how easy it is to keep pigs inside homes.」とあわせると、
「David」が「keep pets inside homes」と考えていることが分かります。
他の選択肢は...少なくとも日本の内容としては見当たりませんね。
最後の[15]ですが、これも選択肢が微妙。
①ペットはあなたのベッドで寝ますか?
③どんなペットを飼っていますか?
④ペットのブタを飼いましょう
という話ではありませんね。
なので答えは「②ペットは私たちに何をもたらしてくれるでしょう」となります。
【第3問A】
小問2問しかないのに、1ページ半の問題。
やはり問題を先に見ましょう。
[16]「Emily」の「blog」に何が書かれていますか?
①「Japanese traditional music」を楽しんだ
②「Japanese drums」の演奏を学んだ
③「banboo」で「water slider」を作った
④「yatai foods」を全部試してみることが出来た
[17]「Emily」は落語を聞いてどう感じましたか?
①混乱した ②納得した ③興奮した ④リラックスした
問題文の上の絵を見ると、何かイベントがあったようですね。
本文に戻ります。
1段落目の最後、「yatai foods」の話が出ています。
「green-tea ice cream」と「takoyaki」は食べてますが、「yakitori」は食べてませんね。
2段落目、「performances」の話として「rakugo」と「the taiko and the koto」が言及されています。
「rakugo」については「I didn't find it funny」とあります。良く分からなかったようですね。
となると、[17]は①が妥当でしょう。
「the taiko and the koto」はお気に召したようですが、演奏や練習はしていないようです。
3段落目は「workshop」。
「onigiri」を作って、「nagashi-somen」を楽しんでいます。
が、「water slide」を作ったわけではありません。
これで[16]の答えは①だと、自信をもって言えますね。
==========
この辺り集中力をもって、スピード上げて折り返したいところです。
丁寧に読むと時間がかかってしまうのですが、最初の方の問題と同じように、問題文をしっかり読んで、本文をさらっと流す形で読み進めましょう。
【第3問B】
この問題、地図がなければ、かなりの難問です。
まずは「Three Peaks Challenge」とは何か、を把握しないといけません。
この問題の場合、せっかく地図に山の名前が書いてあるので、
下のように、それぞれに「地方」の名前を書くと分かりやすくなりそうですね。
「Three Peaks Challenge」は、「Scotland」「England」「Wales」それぞれの最高峰を、移動時間も含めて24時間で回るという内容で、
「Britain」の「climber」には、その難しさで知られているとのことです。
筆者は「last September」に、ミニバスの運転手2名を含む12名で、「Ben Nevis」の麓をスタートして「Snowdon」の麓で終える計画で出発しました。
というのが1段落目。
ここで問題を見てみましょう。
[18][19][20][21]は並び替え問題。
①「Scotland」の最高峰に全員が到達
②「Snowdon」登山を何人かが諦めた
③メンバーはミニバスで「Wales」に向かった
④メンバーが筆者の携帯を探すのを手伝った
この問題が難しいのは、山の名前と地方の名前が入り混じっていることです。
なので、最初に図を使って、山の名前と地方の名前を紐づけておけば、この問題はグッと楽になります。
行程通りであれば、①→③→④になりそうですが、
登山をいつ諦めたかで①→④→③かもしれません。
携帯をなくした話がどこにあるかで、順番が変わりますね。
この並び替え、4問分ありますから、慎重に行きたいところです。
残りの問題は
[22]「Scafell Pike」を終えて、スケジュールから遅れていた理由は?
[23]この話を読んで、作者がどうだと分かりましたか?
6問分とは言え、実質3問。
ここで時間を短縮したいところですね。
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本文に戻りましょう。
2段落目。
「朝6時。美しい秋の夜明けを見ながら、私たちは最初の登山を始めた」とかありますが、
最初の登山は「問題」ではありません。なので、訳す必要もありません。
ポイントは携帯をなくしたかどうか、だけ。
と思ってみると、
「On the way down, ...... I had dropped my phone」
「I found it with the help of the team」とありますね。
これで、[18]① [19]④ が確定です。
----------
3段落目。
「Scafell Pike」の話なので、[22]のスケジュール遅れの理由、を探しましょう。
すると、「As it got darker, though, we had to slow down.」とあります。
「as」にはいろいろな訳があることは学びましたね。
「暗くなったので」「暗くなった時」「暗くなるにつれて」…
あるいは「as though」で「~のようだ」...
どう訳すのか迷ったかもしれませんが、実はどう訳そうと、たいしたことではありません。意味を取る問題ではないので。
むしろ、訳なんて考えず「暗くなった」→「ペースが落ちた」の流れだけ分かっていれば良いのです。
この割り切りも、時間が限られる試験の場においては意味があるのです。
なので、答えは ②「in the dark」で「make good progress」するのは難しかった、ですね。
文章の方は、プランより遅くなったが、交通状況も良く、運転手さんが時間を取り戻してくれたので、最後の山も時間通りにスタートできた、
時間内にチャレンジ達成できるのではと感じた、とあります。
[20]③ [21]② かな、と思いますが、念のため最後の段落を読んでからにしましょう。
----------
4段落目。
最後の山を登り始めてすぐ、激しい雨が降って「slow down」しなければいけなかった、とあります。
朝の4:30に、24時間で終わらすことが出来ないことに気付きましたが、最後まで登ることにしました。
しかし、雨はどんどん激しくなり、2人がミニバスに帰ることに。
残りのメンバーも帰る準備を始めていましたが、視界が晴れて、山頂近くにいることが分かって、疲れが吹き飛びます。
「the time challenge」には成功しませんでしたが、「the climb challenge」を成し遂げられた、と筆者は書いています。
[20]③ [21]② で確定ですね。
[23]の選択肢は
①満足しなかった
②3つの山頂に到達した
③「the time challenge」に成功した
④筆者はミニバスの運転手だ
なので、おのずと答えは②になります。
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実質3問でありながら、配点は6問分なので、慎重に、しかしスピード感を持って解いていきたい問題です。
「as」の解説で書きましたが、「意味を正確に訳す」ことより「ざっくり内容を理解する」ことに重点をおいてください。
共通テストの英語は、第6問[48]までですので、ここで折り返しです。
別ページにて後半の解説を行っていきましょう。
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