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【時の記念日】三木の子午線を歩く!

    05_見学・おでかけ
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6月10日は「時の記念日」です。
「子午線のまち」明石市では、この時期に「時のウィーク」(akashi-tokikando.com)というイベントが行われます。



これに先立ち、コーディネーターとして参加している「あかねカレッジ  (akane-college.jp)」サイエンス学科では、
5月23日に明石市立天文科学館 (am12.jp)の鈴木学芸員を招いてお話をお伺いし、26日に訪問、
あわせて、6月6日の授業では、私から「時間のけんきゅう」についてのお話をさせて頂きました。

<過去の「時間のけんきゅう」関連記事>


【子午線のまち】


明石市が「時の記念日」に力を入れているのは、「子午線のまち」だから、です。
「子午線」という言葉は、「南北を結ぶ線」という意味だけなので、これだけでは時間と関係しませんが、
明石には「日本標準時子午線」となる「東経135度子午線」が通っていて、これが計測されたのも、明石において、でした。

この「日本標準時子午線」に、太陽が南中する(ちょうど南に来る)時を、日本の「正午」としているのです。




ですから、「正午」時には、ここより東だと太陽が西に傾き、西だと太陽はまだ東にある、ということになります。

さて、この「子午線」、明石だけを通っているわけではありません。

一番北は、京都府京丹後市、

そこから兵庫県豊岡市を通って、

再び京都府福知山市、

ここからは兵庫県に戻り、

丹波市
西脇市
加東市
小野市
三木市
神戸市
明石市

海を渡って
淡路市

さらに海をこえて、
和歌山県和歌山市の友ヶ島


まで続いているのです。


今回、6月10日に、三木市にて「みっきぃ子午線フェスタ」が行われるというチラシを頂いたので、参加することにしました。


【三木市の子午線標識】


子午線は、目に見える線ではありませんので、ところどころに標識が設置されています。
これをめぐるのが今回の目的です。

集合場所は、神戸電鉄(shintetsu.co.jp)恵比須駅からすぐの子午線塔時計台。



今回のイベントは、「みっきぃ子午線フェスタ 2022」の一環で、「みっきぃハイキング」と「神鉄ハイキング」を兼ねています。
受付には、それぞれのスタンプカードを(もちろん両方を持っている人も)手に、たくさんの人が並んでいました。

ここで、本日のコーディネーターの先生から、三木を通る子午線についての説明を頂いてからの出発となります。

   

先生からは、いろいろお話がありましたが、下記の3点が特に印象に残りました。

●実は、子午線には、天文測量でもとめられたもの、日本測地系に基づくもの、世界測地系に基づくものなどがある。
(左端の写真。三木市内の子午線標柱のほとんどは「日本測地系」に基づいているが、ここの建物だけ「世界測地系」に基づいている。)


●三木の子午線標柱の特徴は、他市の標柱が、学校をはじめとする公的機関が建てているのに対し、主に民間の方々によって建てられている。
(真ん中の写真。③⑦はライオンズクラブ、①④⑤は自治会的組織、⑥⑧は個人が建てていることが分かる)

●三木市内にある②「電子基準点」は、東経135度上にある唯一の電子基準点である。

さて、今日のコースでは、
⑧子午線塔時計台 ⇒ ⑥子午線や ⇒ ⑤大塚の石柱 ⇒ ③三木小学校の石柱 ⇒ ②旧三木幼稚園の電子基準点 ⇒ ①久留美の石柱 ⇒ ④大塚公園会館 ⇒ 湯の山街道 ⇒ みき歴史資料館&堀光美術館
つまり、⑦以外の子午線標柱を回ります。


「世界標準系」上にある⑧から、西へ道沿いに歩いていくと、お店が見えました。
これが「日本標準系」上にある⑥「子午線や」さんです(1枚目/2枚目)
焼き鳥やおにぎりなどの軽食、お弁当などを販売しています。

道路を挟んで向かいのセブンイレブンの駐車場の隅にあるのが⑤「大塚の石柱」(3枚目/4枚目)。
昭和2年に青年会によって建てられたものになります。
きっと、その頃とは周りの景色は大きく違っていることでしょう。
しかし、それでも太陽は変わらず、この石柱を照らしているのです。

  

三木小学校は授業中なので、③「三木小学校の石柱」は望遠で撮影。
校内にありますが、寄贈は三木ライオンズクラブです。

三木幼稚園は残念ながら廃校となっているので、こちらは中に入れます。
ここにあるのが②「電子基準点」です。

 

ここから、神社や田んぼを抜けて、美嚢川にかかる橋を渡って少し行ったところに①「久留美の石柱」があります。

  


昭和2年に建てられた、①「久留美の石柱」に到着したのは、令和4年6月10日11時55分。
あと5分待てば、ちょうど正午の写真が撮れるはずです。
というわけで、一休みがてら正午を待って写真を撮りました。



真っすぐ下に影が伸びているのが分かります。
135度線上の日時計は、本当に正確に、時間を指し示してくれるのです。

ここからは道を戻り、④「大塚公園会館」(1枚目)、湯の山街道にある「湯の山みち」(2枚目)を通って、
ゴールである「みき歴史資料館」&「堀光美術館」を目指します。

  

「湯の山みち」では、かつての街道筋のお店が書かれた資料があったり、三木の染め型紙があったり、化石コレクションがあったりと、非常に面白かったのですが、何より、見せて頂いた「経天/緯地」(3枚目)の額が今回のテーマ通りで、素晴らしいと思いました。

  
  

ここから三木城跡の方に向かって、神戸電鉄の線路下を通り、急な坂道を上ると、
三木金物資料館を挟んで、みき歴史資料館&堀光美術館があります。

  

みき歴史資料館では、特別展として、三木の子午線標柱についてのコーナーが設けられていました。

 

一通り見て回った後だと、どれもなるほど、ですね。
⑦「子午線表示塔」が見れていないのが残念です。

堀光美術館では、よねざわともみさんの「ハンぺルマンに恋をした」展が行われ、あわせて、
みっきぃ子午線フェスタ連携イベントとして「手づくりの時計たち」が展示されていました。

  
 

面白かったのは「南極日時計」

 
明石の小学校教員でありながら南極に行かれた河合先生が、実際に行われた実験なのだそうです。
南半球の日時計というだけでも混乱するのに、ましてや南極での観測なんて、どうなるのでしょう。

理科実験教室で、是非考えてみたいテーマですね。

さぁ、これにて、三木市の子午線標柱巡り、無事終了です!

【おまけ】


この時に寄れなかった⑦「子午線表示塔」ですが、6月下旬三木を再訪する機会があり、見て帰ることにしました。

  

これもライオンズクラブさんが建てたもの。
足元には、日時計も設置されていますし、鷲が立つ地球儀には、ちゃんと十二支の名前が刻まれています。

これにて、三木市内の子午線標柱、8カ所コンプリートです。

それにしても、とても楽しいイベントでした。

いつもは明石で「時の記念日」を迎えていましたが、同じようなイベントがあるなら、
来年以降、西脇市や小野市を訪問してみるのも面白いかもしれないなぁ、と感じました。
    三木市,子午線,時間

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