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【算数と数学】誕生日のパラドックス5 プログラミング思考

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東大卒講師が勉強のノウハウを楽しく教える、兵庫県の共明塾です。

誕生日のパラドックス」最終回では、「プログラミング思考」について考えます。

第2回、第3回で、40人のクラスの中に、「同じ誕生日の人がいる確率」と「私と同じ誕生日の人がいる確率」を計算しました。
第4回では、「私と同じ誕生日の人が2人以上いる確率」を出しました。

結果だけなら、カシオさんのサイトで、自分のクラスの人数を入れると、答えを得ることが出来ます。
→ カシオ計算サイト「誕生日が一致する確率
→ カシオ計算サイト「自分の誕生日と一致する確率

今回は、「結果」ではなく、「計算のプロセス」もっと言えば「考え方のプロセス」を書いてきました。

算数」「数学」というのは、数字の計算をする学問ではなく、純粋な論理学です。

だからこそ、「考え方」というのがとても大切になってくるのです。

今回、「40人のクラス」「365日」という大きな数字を扱うに際して、
「人数は4人にして「・冬」の4つの季節で考える」
という手法を取りました。

数字を小さくしたケースで「パターン」を見つけ、それをもとに「」を立てることが出来れば、あとは数字をもとに戻すことで求める答えを得られる、ということなのです。

プログラミング思考」という言い方が最近よくされていますが、
パターン認識と、パターンへの分解、パターンの組み合わせ、
という意味では、中難度の数学の問題は、まさに「プログラミング思考」で解けるのです。

算数」から「数学」になって感じる「難しさ」は、抽象性が高くなることから生じます。

いままで数字で表されていたものが、「x」「y」という記号で表現されることで、難度が高くなったように感じられます。

しかし、この「x」「y」によって抽象性が高くなることで、どんな時でも使えるという汎用性が高くなるのです。

苦手な人は、「x」「y」に小さな数字、分かりやすい数字を入れて考える練習をしてみましょう。

文章題も同じです。具体的な例を小さな数字で考えるようにすると、間違いを減らすことが出来ます。

例えば「植木算」の問題を考えてみましょう。

450mの道に、5mおきに木を植える。端から端まで植えるとすると、木は何本必要か。

450/5 = 90 という計算まではすぐに出来るでしょう。

次に端の1本を足せば良いのか、それとも2本足すのか、「90」のままで良いのか、を考えなければいけません。
逆に言えば、端の木をどう処理するかだけの話なので、例えば10mで考えてしまえば良いのです。

10/5= 2 ですが、植えている木の本数は1本多くなっていますね。
つまり、1本足せば良い、ということが分かります。

「植木算なんて覚えてない」ではなく、実際に小さい具体的な例で考えてみれば良いのです。

簡単な例から、パターンを見抜き、式を立てて、汎用化する。

ひらめきや発想の飛躍が必要な超難問は別として、数学の基本的な問題は、この方法で考えると、答えへの道筋が見えてくることが多いです。

思考機械の事件簿』に登場する、ヴァン・ドゥーゼン教授の決め台詞は
2+2=4である。ときどきそうなるのではなくて、いつも必ず同じ結果をもたらす」です。
どの国でも、どの時代でも、この原則は変わりません。

そして教授は(小説の中の主人公ではありますが)
論理的思考さえ出来れば、チェスを初めてやる人間であっても世界チャンピオンに勝てる
と言って、本当に勝ってしまいます。

算数」や「数学」の難問に頭を悩ましたら、「論理的思考」に立ち戻って、簡単な例からパターンを見抜いて解くようにしてみてください。

それを意識するだけで、解けなかった問題が解けるようになりますよ。

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