キッズアース播磨町校「共明塾」

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【講演会】茂木健一郎「Chance favors the prepared mind~備えて育む絆~」

    04_イベント・講演会,08_東京大学
東大卒講師が勉強のノウハウを楽しく教える、兵庫県の共明塾です。
茂木健一郎先生の講演会をお伺いしたので、そのレポートです。

9/19、神戸青年会議所さん主催のChance favors the prepared mind~備えて育む絆~」に参加しました。



と言っても、WEBでの参加ですが、題名の内容にとどまらず、大人である我々にとっても非常にためになる素晴らしい講演でした。

内容について、3つのキーフレーズ

1.「Emergency」を「Emergence」に
2.コロナの時代の「学び」
3.未来を切り拓く「判断力」

から見て行きたいと思います。


1.「Emergency」を「Emergence」に


Emergency」とは「危機
Emergence」とは「創発
という意味です。

今、コロナ危機という「Emergency」な状況にありますが、苦しい時ほど、新しい道が開けるものですし、この「危機」を「創発」の機会にしていく、ということが大切です。

例えば、14世紀イタリアでパンデミック(感染爆発)があった後に起こったのが「ルネサンス」です。
あるいは、ニュートンが「万有引力の法則」を発見したのは、イギリスでパンデミックが起き、彼が田舎に戻っていた時でした。

Passion」という言葉は、もともと「苦しみ」や「受難」の意味ですが、同時に「情熱」も意味します。
苦しい時ほど、新しい道を切り拓く「情熱」が産み出されるのです。今は苦しい状況だからこそ、チャンスだと言えます。

学び」というものは一生続きます。
脳は一生、新しいことを「学び」続けることで、無限をつかむことが出来るのです。
学び」というと、子どもたちの話になりがちですが、私たちにも無限の「学び」があるのです。

時代が進めば、知識やスキルが変わって行きます。

学校の中で学んだことが全てではありません。
仮想通貨、ブロックチェーンなど、自分たちが学校にいた時、学ぶことがあったでしょうか。


2.コロナの時代の「学び」


では、コロナの時代における「学び」とは何でしょう。
オンライン」と「リアル」の関係を考えましょう。

そのために「オンライン」の可能性と限界を考えます。

オンライン」は時間と空間を越えられる素晴らしいツールです。
日本にいようがどこにいようが、例えば、イスラエルの研究者とシカゴの研究者と一緒に会議を開くことが出来る時代になりました。
人類がこんな自由を手に入れたことはいまだかつてありません。

また、教育についても、ハーバードの授業も、ケンブリッジの授業も、東大の物理も、「オンライン」を使えば無料で学ぶことが出来ます。

こうなると、教育格差の本質は「お金」ではなくなってきます。
出会う」ことさえ出来れば、格差は存在しない時代になっているのです。

今までの教育は、「塾」が「ノウハウ」を持っていて、その「ノウハウ」を「お金」で買っていました。
「お金」さえ出せば「ノウハウ」を持った人に出会える時代だったのです。

しかし今、同じ学びが「オンライン」で出来てしまうのであれば、どのコンテンツを選ぶかの「判断力」が問われる時代ということです。

同じ時間を、Youtuberの番組視聴にあてるか、ケンブリッジの授業にあてるかは、「自己責任」なのです。

では、どうすれば「出会う」ことが出来るのか。
ここが「リアル」の世界の話になってくるのです。


3.未来を切り拓く「判断力」


出会う」のはゲームでも何でも良いですが、何に「出会う」かで、人生が変わります。
出会った時に、どっちにどう行くのか?を選択するのに必要なのが「判断力」です。
しかし、この「判断力」を育むことが出来るのは、リアルな「体験」だけです。

」は「身体」と結びついています。
判断を決定する時、「」は「身体」のあらゆるところから情報を得て、ほんの2秒で「判断」します。
重要な「判断」は、「」だけでなく「身体」による「判断」がなければ出来ません。

スティーブ・ジョブズは、重要な経営判断は歩きながらしていたそうです。

判断力」の先には「創造性」があります。
何をどうするかを決められるのは、「身体」を持たないAIには難しいことなのです。

判断力」を育むことが出来るのはリアルな「体験」だけです。
だからこそ、学校での友人とのふれあいや、運動をすることはとても大事なのです。

また、自分たちの文化や伝統とつながることも大事です。

例えば、日本には災害を乗り越えてきた文化、そこから育まれた文化があります。
これから海外で活躍するためには、漫画やアニメが入口でもよいので、英語力とあわせて日本の文化についても学んでほしいと思います。


「ポジティブ心理学」では、逆境ほど明るく生きられる、「ポジティブ」は「ネガティブ」と表裏一体と言われています。

この逆境の時代から、日本のルネサンスを築いていきましょう!




【「判断力」を育むことが出来るのはリアルな「体験」だけ】


以上、ざっと講演内容をまとめました。
さて、

 「判断力」を育むことが出来るのはリアルな「体験」だけ。

というのは、当教室にとっても、心強い言葉です。

共明塾が、理科実験教室を始めるに至った背景にも、まさに、子どもたちにこのリアルな「体験」が足りないのではないか、ということがありました。

中学受験などで、机の上では様々な「実験」を行います。
しかし、「滑車」や「酸性とアルカリ性」の問題にしても、知識先行で、そこに「体験」が欠けていないか、と。

もちろん、計算上だけで考える方が、スマートに答えは出るでしょう。

でも、実際に滑車が思った通りに動いて、BTBの色が変わって、目の前で火が燃えて…という「体験」は、机上の問題を解くのと同じくらい、それ以上に大切なのではないか、と。

実際、私も東京大学を出ていますが、その勉強の原動力になった好奇心を育んでくれたのは、ボーイスカウトでの体験であったり、理科クラブでの実験であったり、学研の「科学」や「学習」の付録だったりしたのだ、という思いがあります。
その「体験」が出来る機会を、どうやったら与えられるだろう、と考えていた時に出会ったのが「キッズアース」だったのです。

脳は一生、新しいことを「学び」続けることで、無限をつかむことが出来る、大人も「学び」続けなければならない、という話がありました。
より良い「体験」を提供できるように、私自身ももっともっと「学び」、アップデートを続けていきたいと思います。


主催頂いた神戸青年会議所の皆様、何より貴重なお話をしてくださった茂木先生、本当にありがとうございました。

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