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【神戸らんぷミュージアム】100万ドルの夜景と阪神淡路大震災

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先日、【KOBEとんぼ玉ミュージアム】とんぼ玉をつくろう! の記事を書きましたが、とんぼ玉を制作してから冷えるまでには、1時間かかります。
待ち時間に、こちらへ行かれたらいかがですか?」と割引チケットを頂いたので、すぐ隣のビルにある「神戸らんぷミュージアム」に寄りました。
思っていた以上に広く、面白いミュージアムでした。


【赤木コレクション】


 


神戸らんぷミュージアム」は、関西電力さんが運営している施設ですが、
この元となったのは、「北野らんぷ博物館」でした。

この創設者である赤木清士氏(1932-2019)は、建設業を営む傍ら、神戸異人館街のランプに魅せられ、
1981年に神戸・北野に「北野らんぷ博物館」を開設。
一方で、日本の科学史・技術史資料の散逸に心を痛め、それらの資料収集に情熱を注いでいらっしゃいました。

1989年にその資料の一部、約3000点を江戸東京博物館に売却し、
手元に残った江戸期を中心とした資料を核に、博物館の再開を目指していましたが、
1995年に阪神淡路大震災が発生。

残された1500点の資料については、国立科学博物館が売却の打診を受け、
最終的にはトヨタが購入し「トヨタコレクション(トヨタ産業技術記念館)」となりました。

また、陶磁器においても、鉄橋や電線が描かれた作品、有田焼を中心に志田焼(佐賀県)や美濃焼(岐阜県)などを含む200点以上のコレクションを収集され、そのコレクションは、兵庫県立陶芸博物館へと寄贈されています。

そして、「北野らんぷ博物館」のコレクションは、「関西電力あかりコレクション」として関西電力に継承・拡充され、
1999年には展示施設「神戸らんぷミュージアム」が、北野から旧居留地に場所を移してオープンという運びになります。

2013年-2018年までは、関西電力の経営上の理由から、臨時休館となっていましたが、
2018年7月18日にリニューアルオープンし、現在に至っています。

それにしても、すごい経営者の方がいるものですね。


<参考資料>


【「神戸らんぷミュージアム」】


神戸らんぷミュージアム」全体で、ミュージアム in ミュージアムという展示手法が取られていおり、
テーマ毎に一つの展示室が割り当てられているような形式になっています。

人とあかりの出会い」-「最初のあかり」として、
火おこしの道具や松明(たいまつ)が並べられ、

  

あかりをともす知恵」-「ろうそくのあかり」では、
行燈(あんどん)や和ろうそく、無尽灯などが展示されています。

  

文明開化のあかり」では、西洋のランプがきらびやかに展示され、
あかりの大革命」では、大正ロマン風のガス灯や電灯、エジソンの白熱球なども見ることが出来ます。

  

あかりのミュージアムウォーク」には、「マッチ売りの少女」や「銀河鉄道の夜」、「ツルの恩返し」などの物語をあかりで表現した作品や、昔の街並みをミニチュアで再現した作品、江戸時代のあかりの使われ方を表現した模型などがショーウィンドウのように並べられ、床面には神戸旧居留地の魅力を表現した小さなプロジェクションマッピングが上映されています。

  

大人向け、子ども向けのクイズラリーも用意されており、それを解きながら回れるのも楽しいですし、グッズも頂くことが出来ました。
PR施設とは言え、大人200円、小人100円という値段設定も有難いですね。
(頂いたグッズだけでも十分価値がありました。)


【「100万ドルの夜景」を取り戻す7日間】


設立から阪神淡路大震災と関りを持っていた「神戸らんぷミュージアム」。
2013年-2018年の休館も、東日本大震災と関係のあるものでした。

再開時に追加されたのが「私たちのまちとあかり」です。
神戸のまちのあかりの歴史をたどったパネルとあわせて、心を打つ展示があります。

それが「応急送電までの7Days」。

こちらでも、そのお話を読むことが出来ます。


阪神淡路大震災…あの日、あの時、自分たち自身だけでなくその家族も、震災の被害に巻き込まれる中で、とにかく電気の復旧をと文字通り命がけで応急送電に取り組んでくださった方たちがいます。

この7日間の物語は、それでも応急送電までの話であり、この後、本格復旧がなされるまで、どれほど多くの方々が取り組まれたのか、と思います。

今の神戸の街を見て、阪神淡路大震災の傷跡、痕跡を目にすることはあまりないかもしれません。
「100万ドルの夜景」を眺めることも出来ます。

それでも、阪神淡路大震災…あの日、あの時から、各種ライフラインの復旧とあわせ、救出作業、ボランティア、復興への取組など、様々な方々の懸命な努力があって、今の神戸があるのです。

そんなことを改めて気付かされ、感謝の気持ちを感じさせられる、最後の部屋に相応しい展示でした。
神戸にお立ち寄りの際は、是非こちらに足をのばされてはと思います。


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