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【1.17を忘れない】震災と受験の記憶
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2023年、1995年に起こった阪神淡路大震災から28年が経ちました。
1995年の1月17日は火曜日。
2023年と同じ曜日まわりであり、14日・15日が共通テスト(当時はセンター試験)の実施日だったことも同じで、
違うのは、当時、15日が「成人の日」で祝日となっており、16日が振替休日だったというところです。
1995年に高校3年生だった私は、14日・15日とセンター試験を受け、
16日は高校3年生だけ登校してセンター試験の自己採点を済ませ、
17日は通常の授業再開の予定でした。
16日の自己採点の結果が想定以上に良く、嬉しかったものの、東京大学前期試験への不安の方が勝り、「勝って兜の緒を締めよ」と自分に言い聞かせていたのを覚えています。
当時は、岡山で3人部屋の寮生活をしていました。
6時前、かすかな揺れでしたが、三人とも目を覚ましました。
逆に言えば、目が覚めるくらいには、岡山も揺れていた、ということでもあります。
ただ、発生当初は、岡山のあたりで小さな地震が起こった、という認識しかありませんでした。
ラジオやテレビなどの媒体がないと、どうしても、自分のいるところを中心に考えてしまいます。
思えば、3.11の時も、神戸の高いビルの中で揺れを感じて、神戸の震度を確認していました。
その時も、まさか東日本の揺れが神戸に達しているなんて、考えもしませんでした。
閑話休題。
結局、阪神地域からの通学生が登校できないだけでなく、寮生に実家が阪神地域の学生が多かったこともあり、当日は休校になりました。
携帯電話がそこまで普及していなかった当時、寮の公衆電話には、両親の安否を確認するため、みんなが長蛇の列を作っていました。
私自身は、被災範囲から見て、両親は無事だろうと判断していたので、すくまで待ってから、実家に電話をしました。
寮に1台のテレビに映し出される風景は、阪神地域からの寮生にとっては、私以上に馴染み深い三ノ宮地域の壊滅状況や、駅のホームが割れている様子、折れた高速道路、などなど、不安がいや増す光景ばかりでした。
唯一の救いは、映し出される被災規模の割に死者数・けが人が思ったより少なかったということだったのですが、これは、正確な報道のために情報の伝達を待っていたのが原因のようで、2桁で推移していた死者数もあっという間に4桁に達し、規模を鑑みて納得する気持ちと、現実を受け入れたくない、納得したくないという気持ちと、動揺する気持ちを止められませんでした。
不幸中の幸いで、同期には生徒もその両親も犠牲者は出なかったと聞きました。
とはいえ、神戸大学に進まれていた、柔道部の1つ上の先輩が亡くなられたり(当時19歳。神戸大学にある碑にも、先輩の名が刻まれています)、入試会場に行くために、瓦礫の街と化した神戸を目の当たりにしたりと、我々にとって何の関わりもないまま、日々が過ぎていったわけではありません。
(ルミナリエも震災追悼の意味ではじめられた)
(神戸大学にある追悼の碑。先輩の名も刻まれている)
それでも、学校が岡山にあった分、恵まれた学習環境のもとで、引き続き勉強ができた部分はあったかと思います。
この年の入試に、被災者のための「D日程」などが用意されたのは、文部科学省の計らいとしては、評価されるべきものでしょう。
四半世紀以上も前のことですが、我々にとっては、震災と入試の記憶は切り離せず、今もまだ鮮明です。
なお、当時はまだ合格者の名前と出身校を掲載していた「サンデー毎日」の表紙を、東大合格者として飾ったのは、神戸の長田高校出身の女性でした。
自然災害は、我々の手で止めることはかないません。
どんな犠牲があったとしても、自然相手では、それを受け止めながら、政治や行政も含めて、支えあい、助け合いながら、前に進むしかありません。
一方で、戦争は人の起こすことであり、止めることのできるものです。
ウクライナの情勢などが伝わる中、ロシアの事情を語る人もいますし、私自身、多様なものの見方を否定するものではありませんが、それでも、インフラへの攻撃を通じた、一般市民への打撃などを聞くと、何か本当に虚しい気持ちになります。
改めて、阪神淡路大震災で犠牲になった方々へ追悼の意を表すとともに、自然災害が起こらないこととあわせ、世界の平和を祈念したいと思います。
- 117,阪神淡路大震災,震災,大震災,地震,追悼
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